自費診療における金属を用いた入れ歯

金属床義歯とは

入れ歯の種類の一つで、自由診療(自費診療)で制作することができる一部分に金属を用いた入れ歯です。
通常通りの保険診療ならばレジン床(プラスチック系材料)で入れ歯を制作します。

保険の入れ歯との違いと金属床義歯のメリット、デメリット

保険の入れ歯との違い

保険の入れ歯と金属床義歯との違いは大きく分けて2つあります。
1つ目の違いは材料です。
保険の入れ歯には安価で抑えられるレジン(プラスチック系材料)が用いられます。
レジンは金属に比べて強度が低く壊れてしまう可能性が高いです。そのため、強度を保つために最低でも約1.5mmほどの厚さが必要になります。人の舌は太さ約0.08〜0.15mmほどしかない髪の毛でも敏感に感じる事ができます。なので、口の中に約1.5mmほどの物を入れる事はかなりの違和感につながります。金属床はレジン床の約1/3ほどの厚さにできるためにこの違和感を最小限に抑える事ができます。
2つ目の違いは値段です。
金属床義歯は自由診療なので歯科医院によって差はありますが、保険の入れ歯と比べると安い物であっても10倍以上の値段になります。使用する金属によっても値段は大きく変わります。

保険の入れ歯と金属床義歯の違いを含めてメリットとデメリットをまとめていきます。

メリット

金属は熱を伝えやすい素材のため、保険の入れ歯に比べて食べ物や飲み物の温度がよくわかるのでより美味しく食事をすることができます。

金属を用いるため、保険の入れ歯に比べて壊れにくくなります。

金属を用いる事で丈夫なため、特に違和感の出やすい部分の厚さや大きさを最小限に設計することができます。

金属はたわま無いので、残った歯や歯茎に影響を与えにくくなります。

デメリット

金属アレルギーがある方は注意が必要です。

自由診療のため、料金が高価になります。

修理ができない場合があります。

金属床義歯に用いられる金属の種類とメリット、デメリット

コバルトクロム合金床

コバルトやクロム、モリブデンなどを用いた合金。

メリット

コバルトクロムはとても強度が高く、丈夫な金属なので比較的長くお使いになる事ができます。

保険の入れ歯に比べて約1/3ほどの厚さに抑える事が可能になります。

金属床義歯に用いる他の金属に比べて比較的安価に抑えられます。

デメリット

貴金属に比べると金属アレルギーの反応が出やすいです。

金属の強度が高いため調整が難しくなります。

白金加金床

白金を含む金合金。

メリット

白金加金は金合金にあたるため、貴金属となります。貴金属は化学的に安定しているため、耐食性に優れています。そのため、成分が溶け出しにくくコバルトクロム合金に比べて金属アレルギー反応が出にくくなります。

長い期間使用しても変色が少ないです。

金属の性質上、精密な加工が可能になるため粘膜への馴染みがとても良くなります。

他の金属に比べて食べ物の味が分かりやすいという特徴があります。ソムリエの方が白金加金の金属床に変えて味の違いがよく分かるようになったとの話があるほどです。

デメリット

貴金属が含まれるため、コバルトクロム合金に比べて値段が高価になります。

コバルトクロム合金に比べて重量があります。

チタン床

金属床に用いるのは主に純チタンになります。

メリット

チタンは体内に埋め込むインプラントにも使用されるほど、金属アレルギーのリスクが低い金属です。

チタンはコバルトクロム合金の4分の1の重量しかなく、とても軽いです。

口の中で金属の味がほとんどしないため、装着中の不快感がほとんどありません。

デメリット

チタンは他の金属に比べ少し柔らかいため、たわむ可能性があります。

修理ができないケースがあります。

口の中での違和感や安全性で比べると

白金加金床
   ↓
チタン床
   ↓
コバルトクロム合金床

この順に比べる事ができます。
自費の入れ歯を検討されている方はぜひ参考になさってください。

あなたが現在お使いの保険の入れ歯に不満がお有りならば、金属床義歯という選択肢を先生に相談してみてはいかがでしょうか?

私どもDental Labor IDTは、患者様お一人お一人に合わせた入れ歯を制作させて頂きます。

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